*daisystar*

雑記帳

『屋上の百合霊さん』シナリオコンプ

 ようやく『屋上の百合霊さん』の全シナリオコンプしました。すごい良かったです。本編はずっと前に終わっていたのですが、サブシナリオまで全部やっている時間がなくて、夏コミ終わって落ち着いたのでようやくコンプできました。

 この作品はR-18の百合エロゲなのですが、エロゲを買うこと自体数年ぶりで、しかも百合物なんて初めてだったにもかかわらずとても楽しめました。

 まず文章がすごく好み。エロゲでだるい文章はわりと飛ばしがちだし、実際中身が無くて斜め読みで十分な作品も多いのですが、この作品は情景描写や心理描写などがそのキャラの視点や性格にきちんと結びついているし、時間や関係性の変化もきちんと反映されているので、気持ちよく読み進めていくことができました。単純に、使われている言葉がいちいち自分の好みに当てはまるのも良かったです。だからボリュームの割に時間がかかってしまったのでしょう。

 それとキャラクターに頭の良い子が多くて、それぞれ違ったタイプというのも好きな所です。結奈は状況分析とゴールの設定と段取りの巧さで本当に優秀なタイプ。剣峰ちゃんは理系なんだけど思考はあふぉの子。有遊サンは厳格な風紀委員だけど本人は論理的な整合性を持っている。登場キャラが全員、テンプレートにはめただけの安易な造形じゃなくて、それぞれの性格や視点から個性に繋がっているから、物語に抵抗なく入り込めるのが良いです。

 エロゲと言ってもえっちシーンは各カップルで1回ずつで行為もあっさり目ですが、そこに行くまでのお話が面白くて、むしろそっちが本命でヤルこと自体は結果となっている辺り、正統な方向性なのかもしれません。

 気になったところは、キャラが自分の恋愛感情を自覚したりしたときに「女の子同士なのに…」って思うわりに、あっさりそれを肯定してしまうところでしょうか。まあそこでの葛藤を細かく描いていくと別の方向性になってしまうので、流してしまえばいいんでしょうけど、なまじキチンと女子高生の女の子としてキャラクターが出来ているだけに、ひっかかってしまいました。些細なことですけどね。

 すきなカップルはどれかといえば、どのカップルも好きだけど、やっぱり剣峰ちゃんと月代ちゃんの年の差身長差コンビでしょうか。剣峰ちゃんがふぉーーーって月代ちゃんをかわいがるけど、やっぱり肝心なところでは月代ちゃんが大人な辺りがツボです。

 まだドラマCDもあるし、来春には百合霊さんオンリーの同人誌展示即売会もあるらしく、楽しみは続く感じです。