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雑記帳

iPad Pro 12.9インチを買ったぞう <その3> お絵描きアプリ編

 前回までのあらすじ - iPad Proを買った。後悔はしていない。

 

 さてさて、iPad Proを買った感想の続きですが、どんなタブレットもアプリが無ければただの板。
 お絵描き周り。大本命のクリスタは外せないとして、せっかくだからiPad用のアプリを幾つか試してみました。
 ちなみに、クリスタは10時間程度、その他は30分〜1時間くらいなので、本格的に使い込んだわけではなく、少し触ったくらいの感想ということはご承知おきください。

 

CLIP STUDIO PAINT EX
 PCでのお絵描きでも常用しているアプリです。iPad版も実用レベルという評判があったからこそ今回のiPad Pro購入に至ったので、このアプリの出来次第では高く付いた買い物になるところでしたが、そんな心配は杞憂でした。
 操作感、機能、速度どれを取ってもPCとさほど大きな違いもなく使えました。ガッツリと絵を描く人はまた違った感想があるかもしれませんが、わたしの用途では十分に使えそうです。
 以下が使ってみた感想です。

・PCみたいに液タブで描きつつモニタでプレビューができない。
・回転や拡大縮小がやりやすい。
・左手キーボードが使えないのは少々不便(使えるのかもしれないけど試してない)。
・微妙なUIの違いに戸惑う。良く言えば微妙なところが気になるくらいの完成度。
・基本的にUIがPCと同じため、ツール類がiPad用に整理されなくキャンバスが少々狭く感じる。
・多機能すぎるのが時々苦しくなることもあるわ(メンヘラ的矛盾した欲求)。

 つまり、PCと同じように使えることがクリスタに対する一番の要求で、それが十分に果たされたおかげで、iPadのアプリとしては違和感も生まれるといった感じでしょうか。
 個人的にはPCのクリスタ使いにiPadいいぞとお勧めしたいです。でもクリスタ使ってないし使う予定も無い人はUIに戸惑ったり、もしかしたら使い勝手が悪く感じるかもしれないです。
 お絵描き用としてはこれ一本で事足りるのですが、機能満載で画面に向かうのにちょっと気合いが要るのは変わらないんですよね。当初の目的としてもうちょっとチラシの裏とかノートの隅に落書きできるような気楽な環境が欲しいというのがありますので、その辺を補完するために幾つか他のアプリを試してみました。

◇AUTODESK SketchBook
 色設定でコピックのカラーが選択できるのが特徴。わたしはコピック使ってませんが、よく使われる色が選べるのはうれしいです。ブラシも豊富で、さらにテキスト入力やパースガイドもあるのに無料で使えるのがうれしいです。

Adobe Sketch
 無料だけどなんかアカウント登録が必要。ログインしないと何も出来ない。ひとまずCCの入れたら使えました。
 シンプルといえばそうなんだけど、いまひとつ機能が足りない感じで、あえてこれを使う理由も見つからないです。Adobe純正ってことでPSDファイルの互換性に安心感あるくらいだけど、互換性の問題が出るほどのことはできないですし。Adobe製なのに軽いっていうのが最大の特徴かな。

◇彩えんぴつ
 色鉛筆の書き味に特化したアプリです。機能は限られているけれど、昔あった100色の色鉛筆セットに心ときめいたり、12色でタッチや重ね塗りで混色した経験がある人なら楽しめるかも。ある意味iPadApple Pencilによくマッチしたアプリです。

◇Procreate
 ブラシも豊富でエフェクト系のプリセットが沢山あるのと、色調整ができるのが特徴かな。必要な機能は一通り揃っています。全体的UIが整理されていて、使いやすそうな感じがします。

 主に使うとしたらProcreateかAUTODESK SketchBookのどちらかですかね。
他にも幾つか使ってはみましたが、ここに挙げるほどでもなかったので割愛します。

 さて、あとはiPad Proでお絵描きする上でひとつだけクリアしときたい問題があります。それはPCとのファイル共有です。なんやかんやと描いたものはPC側に持っていく必要がありますし、資料なんかを持ってきたい。
 今まではDropboxを使っていたのですが、丁度このiPad Proを買う少し前に無料アカウントで同期できるデバイス数が3台までに制限されてしまいました。まあ便利なツールですしお金を払うこと自体は問題ないのですが、一番安いプランで1200円/月からというのは流石に金額が折り合いません。わたしの用途ですとクラウドで共有する必要性は薄く、LAN内のデバイス間で同期できればよいので、それで年間一万円以上かかるのはちょとねえ。
 代替として候補に挙がるのはGoogleDriveやOneDriveなんですが、これらはアップしているファイルを検閲されて、何かの間違いで垢BANされるとダメージが大きいので躊躇します。いや、もちろんそんな怪しいファイルなんて上げないし持ってないんですが、欧米のサービスだとイラストのデータがあちらさんの基準でアウト判定されないかって不安が常につきまといます。AIの誤検知とかもMSならやらかしかねないですし。
 iCloudはさらに、Windows機にAppleのソフト入れると要らん物まで山ほど追加される問題があるから候補から外します。
 結局、他のクラウドサービスも満足できるものは無くて、どうせLAN内で完結するんだから余っているPCでファイルサーバーを仕立てるかなあって感じに。でもファイルをいちいち取りに行くんじゃなくて自動で同期してほしいし、構築や管理の手間掛けたくないなあと思っていくうちに、それじゃあNASでもいいんじゃないかなと思い立ちました。
 今までNASというとネットワークでファイル共有できるだけってイメージだったのですけど、ちょっと調べてみると今では専用のOS積んで色々と出来るようになっていることが分かったのです。

<その4 >NAS導入編へ続く。

iPad Pro 12.9インチを買ったぞう <その2> 届いたよ編

 前回までのあらすじ - あつさできがくるってiPad Proを買ってしまった。

 

 ってなことで、今回は色々使ってみた雑感を書いてみたいと思います。近頃のブロガー()なら開封するだけでいかがでしたかと今回の更新を終わらせるところですが、別にアクセス数とか求めてないのでサクサク行きます。だいたい写真とか撮ってないし。

 いざ開封してみると12.9インチ思ってたより大きい。画面広い。そしてずっしり。そりゃあ約13インチなんだし、MBAと同じくらいだから当然ですね。

 まず最初に保護シートを貼ります。全裸で。MS factoryのペーパーライクフィルムは貼りやすくて、不器用な私でも隅っこに気泡ひとつできただけで綺麗に貼れました。よかったよかった。パンツ履きます。

 ホームボタンが無いのには少し違和感。三日で慣れましたけど。Face IDの認識精度自体は問題ないんだけど、ついカメラを手で覆ってたり、脇に置いてるのを使おうとしたときに認識できないので、指紋認証の方が楽だなあと思ったり。

 

 Apple Pencile 2の認識精度は文句なし。ただ、鉛筆を模した形状は個人的にそんなに評価できないかな。細いし長すぎてちょっと疲れます。あと先端が丸いのも好きじゃない。シャープペンシル型のモデルが欲しいなと思いました。
 ダブルタップも軸が細いせいで人差し指に余計な力が必要なのと、描いてて指先が疲れると無意識に軸を回転させる癖があるので誤タップすることも結構あります。
 鉛筆と同じ感覚で使える点では良いのかもしれませんが、鉛筆そのものが入力インターフェースとしてあらゆる点で勝っているとは思えないので、正直言ってお絵描き用入力デバイスとしての持ちやすさ使いやすさはWacomの液タブ用ペンの方が勝っていると感じました。
 ペーパーライクフィルムの書き味は画用紙っぽい感じかな。ケント紙っぽくもう少し滑らかでもいいかなあと思いました。他の製品と比べてみたい気もしつつ、決して安い物じゃないし、今のところは十分満足できてます。

 キーボード無いのはやっぱり不便なので、余ってたMagic Keyboardを接続。どっちにしろApple Pencileでの操作がメインなので、キーボードは左手側に配置する方が使いやすいから、Smart Keyboard Folioは買わなくて正解でした。

 

 そしてやりたいことのひとつである雑誌のサブスク導入は、幾つかあるサービスの中から比較した結果、まずは手初めにマガジンウォーカーに決めました。
 主にカドカワ系の漫画雑誌が読めるというというのが魅力です。やが君と加瀬さんが読めるだけで十分元は取れるし、BL誌も充実してて書店で買いづらいおじさんにも優しいです。
 雑誌のラインナップとしては十分過ぎるくらい。ただ残念なことに、アプリの出来がいまいちです。とにかく落ちて落ちて落ちまくるのはなんとかして欲しいところ。それと、雑誌ごとの未読既読やどこまで読んだかがメニューからぱっと見で分からないのが不便です。読み飛ばししたり希望の作品にすぐ飛びたいっていう欲求はあるけど、目的以外の作品が目に入るのも雑誌ならではの体験なので、ここは仕方ないかなと。
 でもそんなことよりiPad ProのIPS液晶さいこう。12.9インチで正解。漫画雑誌を見開きで違和感もストレス無く読めます。今まで電子書籍って”読む”という行為についてはどうしても紙より劣化したものだと感じていましたが、ここにきてようやく認識が変わりました。そして電子書籍こそCPU/GPUパワーが重要。Kindle辺りの廉価デバイスでもっさりページめくってるのは、必要十分だと思っていても無意識にストレスが溜まっていたのだなと感じました。

 

 動画配信サービスも気楽に観られるようになり、思っていたとおりの満足度です。やっぱリモコンでぽちぽちスクロールさせるより、アプリ起動してリストをスワイプとかタップでささっと選べると、視聴へのハードルがぐっと下がる感じです。これならNetflixあたり追加してもいいかなと思い始めたり。
 実はKndle Fireとかも持ってはいるのですが、安くても遅いデバイスは結局使わなくなるんですよね。なんやかんや言っても速さは正義だなと感じます。

 

 そんなわけで、軽く使ってみた感想として、些細な不満はありますが、総じてお値段相応で払った金額に見合うパフォーマンスを発揮してくれているので、十分納得の買い物でした。
 <その3へ>続け。

iPad Pro 12.9インチを買ったぞう <その1> 検討編

 もう半年くらい前のことになりますが、唐突にタブレットが欲しくなってiPad Pro(12.9インチ/512GB/Wifiモデル)を購入しました。
 色々と忙しくてそれほどがっつり使い込んではいませんが、せっかく新しい玩具を手に入れたのだし、忘れる前にどうせから何回かに分けて感想とかをつらつら書いてみようと思います。

 

 まずは購入検討の段階でやりたいことを考えると、だいたいこんな感じでした。

 ・気軽にお絵かきしたい
 ・電子書籍閲覧環境の向上と雑誌のサブスク導入
 ・動画配信サービスの利用率向上

 主用途としてはまずお絵かきです。今はiMacにCintiq 13HDを繋いで使ってはいますが、机上のスペースを取ることや接続の準備とかあって、「さあ描くぞ!」って気合いが必要になるのがちょっと煩わしかったのです。
 なので、チラシの裏にぺぺっと落書きする感じで使えたらいいなあという希望がありました。それとApple Pencil 2の評判が良いので、どんなものが使ってみたいというのもあり、この時点で選択肢がiPad Proに限定されてしまいました。

 電書についてはなんだかんだでライブラリが増えてきて、やっぱりPCよりもタブレットの方が読みやすいってのがあります。小説とかはKindle PaperwiteかiPhoneでも読めますがカラーや大きめの書籍に対応できるものが欲しいなと。
 それに加えて、近頃は雑誌のサブスクサービスが充実し始めてきて、一冊買う値段でその何倍も読めるのは魅力的だと思い始めたからです。
 雑誌のサブスクってだいたい直近二ヶ月くらいしか読めなくて、手元に残らないのがデメリットかなと最初は思っていたのですが、どうせ気に入った作品は単行本とかで買うんだし、そうすると捨てる手間がいらないのは逆にメリットだなと考えたら、導入しない理由はないですし。

 動画配信については、dアニメストアとかアマプラに加入していても、視聴するためにモニタ占有することになるのがネックでなかなか消化しきれないため、別作業をしつつダラダラと流したりベッドでごろごろしながら観れるようになれば、もうちょっと利用時間も上がるのかなって考えました。

 

 主な用途としてはこんなところですが、なんでもかんでも要求してたら永遠に待ちの状態になってしまいますから、この使い道については妥協してもいいかなっていうのも同時に挙げました。

 ・文章(長文)を書く
 ・モバイル用途
 ・ゲーム

 書き物もタブレットでできるなら言うことなかったのですが、対象機種をiPadに絞った時点で、iOS標準の日本語変換を使うことになるのですが、これがどうにも合わなくて本気で文章入力する気にはなれません。しかもApple製品以外のキーボードを使うときは英語配列しか選択できないと知って、端から文章用途は諦めました。
こういうAppleのせこい囲い込みは好きになれないです。

 モバイル用途については、どうせあまり外出する機会もないですし、今でもiPhoneとかで事足りてるのでべつにいいかなと。
ゲームについてはやってる時間無いですし、コンソール機でもソフトをだいぶ積んでいるので、見ないことにします。

 

 ということで、なるべく画面は広い方が良い。本体重量の軽さは求めない。ネットワークはWifiモデルで十分。Apple Pencil 2は必要だけどSmart Keyboard Folioは不要っていう条件が抽出された結果、さほど迷うこともなく購入対象が決まったのでした。

 ・iPad Pro 12.9インチ 512GB Wifi
 ・Apple Pencil 2
 ・MS factoryペーパーライクフィルム
 ・ESR iPad Pro 12.9 2018 ケース

 ペーパーライクフィルムは適当に検索して幾つかピックアップした上で、手に入りやすいのをチョイス。どうせ使ってみないとわからないものだから、ハズレさえ引かなければいいかなと。
 ケースはなんか安かったのでこれに。意識低いから見栄えとか気にしないしどうせ持ち歩かないので。

 

 そそくさと発注して待つこと数日。届いたはいいけど色々忙しくて開封まで数日……といったところで<その2へ>続く。

コミックマーケット96お疲れ様でした&ありがとうございました

 このブログをすっかり放置していましたが、ちまちまと活動は続けております。

 まずは、夏コミでスペースに来て頂いた方、ありがとうございました。

 東館が使えず4日開催ということで、どうなることかと思いましたがなんとか終わりましたね(準備会は大変だったでしょうけど。いつも、感謝!)。酷暑だったにもかかわらず南館は空調が良く効いて涼しかったです。

 

 今回の新刊は真夢夏夜シリーズの総集編でした。

 総集編とは言っても書き下ろしのボリュームが新刊一冊弱あったのと、一番最初に書いたお話はほぼ書き直し+まとめるに当たって一部構成の見直し等々で、新作書くよりも大変な作業となってしまいました。

 声優ユニットの方のWUGが解散するということもあって、きちんと未来に繋がる終わりを書きたいという欲求を満たすことが出来たので個人的には満足です。欲を言えば各話ごとに1枚くらいずつ挿絵を入れたかったのですが、表紙を描くだけでも精一杯でしたね。

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 HOMEツアーとSSAが終わってからずっと作業を続けてきて、私の中ではWUGが続いている感覚があったので、夏コミが終わってようやくひと区切りついた感じです。

 

 修正作業をするにあたって改めて最初から読み返してみて、夏夜ちゃんの心情が時間や経験とともに変化していく様子を描くことができて良かったなと思いました。筆が遅いので、えらく時間もかかってしまいましたが、わりと思い通りの景色へと辿り着くことができたと思っています。

 

 

 そして、コミケが終わって翌週には奥野さんが出演された舞台『Stray Sheep Paradise:em』を感激してきました。ソワマチ2日間で計4公演。

 AIによって人々は仕事から解放されたが、未だ戦争も貧困もある未来で、AIに匹敵する才能を持った女性達がその才能を開花させエキスパートとなるための学園でのお話。

 あまり舞台は好んで観にいかないのですけど、これはすごい趣味に合う予感がして観劇したら案の定ドストライクで。ディストピア的世界観の中で女同士のクソデカ感情!(雑すぎる感想)

 セリとヒカリという二人のエピソードが特に良くて、同じ才能を持ちお互いに惹かれ合いながら、試験に合格できるのはどちらか一人。それを知った上でそれぞれの選択が……。

 って、そんなのみんな大好物に決まってるじゃないですか!!

 二時間半という公演時間を長いと感じさせない濃密な内容と舞台空間に当てられて、暫く日常に戻ってくるのが大変でした。

奥野さんソロイベ感想

 先週末のことですが、奥野香耶さんのFCソロイベントで盛岡まで行ってきました。


 すごく構成と演出が練られていて感心したので、備忘録的に書いておきます。
 なお、だいぶあやふやな記憶を頼りに書いていますし、適当に要約もしているので、間違や思い違いは多分にあります。

 

 ちなみにこのFCソロイベ、それぞれのWUGメンバープロデュースということで、基本に歌があってそれにプラスアルファでメンバーの個性で色々なことをやるっていう構成になっています。今回は東北の各県でそれぞれのメンバーが公演を行うという趣旨で、奥野さんは地元の岩手で開催されました。
 これまでソロイベは4回開催されていて(初回だけソロCDの抽選で、以降はFCイベ)、私は今のところ奥野さんの公演だけは毎年参加しています。
いやあ、新潟から盛岡まで特急と新幹線乗り継いで片道約5時間半大変でしたね……。でも行った甲斐がありましたよ。

 

■昼公演
 開演すると今回のイベントのシステムの説明があり、スクリーンに映し出されるセリフを観客が読む(たまにアドリブも求められる)ことで舞台と会話するように進める応援上映というか疑似ギャルゲーシステム。
 これは去年のソロイベントでもやったのでそれを観ているひとは一瞬で概要を把握できます。
 そしてさりげなく今回の奥野さんの役所がカタカナ表記の「カヤ」であることも知らされます。
 この『カヤ』というのは奥野香耶さんの持ちキャラで、奥野さんのようで奥野さんでないような感じの、人見知りが激しくて壁と話すのが好きだったり、独占欲が強かったり、愛情が重かったりする子なのです。去年のソロイベに登場したのですが、それ以外にもイベントとか配信で「このシュチュエーションでアドリブでセリフを言ってください」みたいな場面で時々ひょいと顔を見せるファンにはなじみのあるキャラだったりします。

 

 最初は普通にイベントの意気込みみたいな映像とかから始まって、声優になったカヤが地元で初めてのソロイベントをやるので、家族や友達も観に来て欲しい。そして高校時代に好きだった先輩(=観客)にも来て欲しいと久しぶりにLINEをするという流れ。
もちろん先輩は行きますと返答。っていうか既に会場に来ているので(笑) そしたらカヤは先輩を見つけたら合図するからどんなのがいいですか?と。客席の声を拾って投げキッスに決定。
 その流れでライブが始まって、5曲ほど歌って途中で先輩見つけて(カメラに向けて)投げキッス。この時点では普通に奥野香耶のソロイベ的な気分で観ているのですが既に術中にはまっている我々。

 歌が終わってあっさりイベント終了のアナウンスが流れて、折角遠征してきたのにちょっと短いかなーと思いながらも、客席の灯りは暗いまま。おやっと思ったところでカヤが登場して、ライブ終わった後に会えませんかと連絡してきます。赤煉瓦の銀行前で待ち合わせて、告白して晴れて二人は付き合うことに。
最後に今の気持ちということで中島愛さんのShining Onをカバー。ちなみに今回のイベント用に作られた奥野さんのソロ曲を重永亮介さんが作曲した繋がりで客入れの音楽も中島愛さんだったりします。まあ奥野さんのソロイベといえばマクロスFなので、ごくごく自然な流れですね。
 そしてスクリーンには「前編終了」の文字が流れて今度こそ昼公演終了。

 

 ……ん? 前編??

 

 かやたんと恋人♡やったー!!となるのは良いファン。
 しかし、よく訓練された我々はこう考えるのです「おかしい。『カヤ』が出てきているのに闇が薄すぎる。夏の強い陽射しには濃い影ができるのが自然なのに。不穏だ……」と。

 

 そうは言ってもまあ後編の夜公演まで少し時間があるし、会場近くにホテルを取ったのでしばし休憩。そしたら恋人になったばかりのカヤから♡なメッセージが! 内容については行った人のお楽しみということで公開を禁止されているし、そうでなくてもカヤからのプライベートはメッセージを晒す気なんてありません。とにかくさっきまでの不穏さなんて吹き飛ばす内容で、無条件にぼくはカヤのこいびとなんだ!!(ぐるぐる目)ってなりました。

 

■夜公演
 さて後編です。
 二人のデート映像が流れ、既に恋人状態で始まります。この時間が永遠に続けばいいのに……。
 でも先輩はオタクなので、付き合ってるくせにカヤのイベント会場に足を運びます。こいつ(自分)ダメなヤツだー!
 カヤは当然の反応として、先輩は声優としての自分と素の自分のどっちが好きなんだろうと考えます。声優のカヤは綺麗なところだけを集めた存在で、本当の自分はそうじゃないことも分かっている。でも恋人の先輩にはそんな自分も丸ごと受けとめてほしい。作られた声優カヤに負けたくないと。
 だからもうイベントには来ないで欲しいとお願いし、先輩は承諾します。脳内ではヤバイ警報がガンガン鳴り響いていますがどうにもならない。

 

 ——約束、守れるわけないじゃん。だって先輩(=観客の自分)はイベント会場に居るという事象は変えられないもの。変えるためにはこの会場から出なくてはならず、そうしたらカヤとの物語は続かなくなるのだから。
 そう。気付けばいつの間にか奥野香耶さんのソロイベントを観ている私という現実が、カヤと先輩の物語に置き換わっているのです。ライブで歌っているのはカヤで、そのカヤがWUGやハナヤマタのキャラソンを歌っている。それを観ている自分の視点は、恋人である先輩のものであると。

 

 これって、去年も同じ流れのシーンがあって、カヤとの約束を破って香耶イベント会場にいって、会場から出ると鉢合わせっていう修羅場。イベントに行くと必ずカヤを裏切ることになるという変えられない因果になってるのが重いです。しかも今回は香耶の存在が消されて完全にカヤと先輩の物語。

 

 さらに、カヤがステージから先輩を見つけてしまうことは昼の公演で示されているから、逃げ場はもうどこにもなくて。昼公演の時点で既に仕込みが済んでいることに気付いたときと絶望が現場に居なかった貴様には分かるか!!
 どうにもならないままライブが始まり、カヤは先輩を見つける。

 それでも先輩は過ちを認めてカヤも許してくれて、もう二度としないと約束するけれど、その現場を運悪く○春に押さえられスクープされてしまいます。

 それがきっかけでしばらく会わないようにするのと同時に、カヤは幸いにもスクープのおかげで名前が知られたことで仕事が忙しくなって、お互いに会いたい想いだけが募って一ヶ月の時間が過ぎていき……。

 そしてカヤは今度のソロイベントが終わったら自分から会いに行こうと決意して、だけどその想いは秘めたまま先輩にLINEを送る。そのソロイベントの会場はもちろん……。


 カヤからのLINEを受け取った先輩は、オタク独自のご都合主義思考でカヤは自分に合いたがっている!となり、ソロイベ会場に行くことにします。ホントこの思考の展開が生々しいというか、こういう自分に都合の良い解釈で考えるオタクいるいるって感じでやたらリアルなのが辛い。

 もちろんカヤは先輩を見つけるわけですが、やっぱり先輩は声優のカヤが好きだったんだ、作られた私に負けちゃったとひとり嘆きます。カバー曲は中島愛の『CALL ME』。先輩がここにいないはずという前提で決められたセットリストで、カヤの気持ちを裏切ってこの場所にいる先輩として聴く「ここにいてほしいのに」という歌詞。
 つらい。

 

 そしてイベント後に、カヤが「家に帰るまでがイベントですよ、無事にかえれたらいいですね」と言ってメールを送信。

 

 公演終了のアナウンスと共に照明が付いて夜公演終了。
 ぽかーんとしてなかなか動かない客。数度のアナウンスでようやく釈然としないまま会場を出て行く。
 昼公演ではアナウンス後にカヤが出てきて物語が続くっていうのをやっておきながら、夜ではその流れをあえて繰り返さないという演出。巧みだけどよくこれ実行しようって思ったなあ。

 

 先輩が家に帰り着いたであろう23時過ぎにカヤからメールが届いて本当にイベントの終了。どんな内容かはもちろんカヤと先輩だけの秘密です。
慣用句的に家に帰るまでがイベントですと言う人は今まで何人もいたけれど、意図的に観客の気持ちを宙に浮かせたまま会場から追い出して、家に着いてからお話を終わらせるというのは初めての経験でした。

 

 そして、土曜日はWUGのメンバーブログで奥野さんが担当の曜日なのですが、イベント終了直後の更新ではあえて内容に触れなかったというのも自覚的で素晴らしかったです。

 

■後から振り返って
 今回のソロイベ、普通のライブだったらやろうと思ってもなかなかできないことを、ファンクラブイベントという特性を最大限に活かしているなあと思いました。

 まず、昼夜公演を前編後編に分けるとという手法。大半の人が昼or夜しか観られないとい情況なら成立しません。この辺は会場キャパに対してどれくらい申し込みがあるかによるので、難しいところもあるのですが、WUGのFCは推しメンを一人指定できて、今回のイベントは推しメンを考慮すると予めアナウンスされています。
 申し込みの状況がどれくらいだったかは外から知りようもないのですが、奥野さん昼夜だけ申し込んでいた自分はどちらも当選でしたので、まあ昼夜観たいって人は観られる情況だったと思います。二次募集も受け付けてましたし。
 FCであれば、どの会員がどの公演を観るか確実に把握できているので、このシナリオにGoを出して大丈夫かの判断を付けられます。
 そしてイベント後に受け取るメッセージ。確実にメールアドレスを登録しているファンクラブだからできた芸当ですね。まあ近頃はチケット取るのにメアド不要って所は無いにしても、システム的な敷居はあって、公演参加者のアドレスだけ抽出して送信ってのは難しいとおもいます。


 それにしても、カヤというキャラクターがどこまで奥野香耶を反映しているのかというのは興味深い疑問です。
 例えば仮にカヤ=奥野香耶だったとしたら、このシナリオで描かれるカヤの「声優としての虚構の自分/声優でない素の自分」の二面性ですら奥野さんにとっては虚構の一部となるわけで、裏の裏は表か裏かみたいに入り組んでしまいます。それにしても声優の姿がそもそも虚構ってさらっと真実を述べちゃうも凄いですよねえ。それって当たり前のことだけど、当たり前と受けとめてないお客さんが多い業界なのに。
 いやまあカヤというキャラクターを演じているにしても、奥野香耶のソロイベを観に来ている人に、あからさまにキャラを作っていると見せるのではなく自然とカヤにスライドさせていったのには舌を巻きました。


 おそらくシナリオは去年と同じく雨野智晴さんだと思うのですが、去年よりもぐっと現実のイベントを体験する人の視点を上手く捕らえてて、こうやって演出に落とし込むのかという技術的なところがよく練られていると感心しました。 

 

 ほんと面白いものを観せていただきました。

 

Razer Tartarus V2をMacで使う

 お絵描き用途に左手入力デバイスが欲しいなーと思っていたところ、昨年Razer Tartarus V2が発売されました。

www.razerzone.com

www.4gamer.net

 本来はゲーム用のデバイスですが、今回ホイールも復活して機能的には十分だったので買ってみました。ちなみにこれ、発売当初は品薄でしたが今では潤沢に流通しているようです。

 

導入について

・パッケージのSYSTEM REQUIREMETSにWindowsとしか書いてない

 Macで使えないのかもって一瞬ヒヤリとしましたが、きちんと使えました。現状、Razer Synapse 3というのがWindows用しかないのですが、MacではRazer Synapse 2を使用すればいいようです。

 

・ドライバCDとかパッケージに入っていません

 サイトからダウンロードする必要があります。まあ、近頃はどのメーカーの機器でも付属のドライバCDより新しいバージョンのドライバが公開されてることが多いので、合理的でしょうね。

 そして、Mac用のドライバの場所が分かりにくいです。製品の頁からはWindows用のドライバダウンロードページに飛ぶので、サポートページの検索から探す必要があります。ちなみに、ここからダウンロードできます。

・ドライバを使用するためにはユーザー登録をする必要があります

 ユーザーアカウントを入力しないとドライバの起動ができません。いや抜け道あるのかもしれないけれど見つけられませんでした。

 ちょっと意味が分かりません。いざ使おうってときにこういう不要な手間を取らせる最悪のユーザビリティ。私にとってユーザー登録するメリットって何? クラウドに設定保存できるとか、別にいらないんですけれど。マーケティング主導な企業風土なのか分からないけれど、一気にRazerってメーカーの評価が下落しました。

 ってか、これ会社が無くなったら再インストール不可になるってことですよね。

 

・ Karabiner-Elementsを使用している人は注意が必要

 キーボードカスタマイズソフトの Karabiner-Elementsはとても便利なのですが、Razer Tartarus V2でキーの割り当て変更時には注意が必要です。

 ドライバでのキー割り当て変更時、Karabiner-Elementsが有効になっているキーボードからの入力は反応しません。

 単純に、Karabiner-ElementsのPreferences画面を開いて、Devicesタブから対象のキーボードのチェックを外してあげればいいので、キー割り当て変更時にチェックを外して、設定が済んだらまた元に戻せばOKです。

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 気づいてしまえば何のことはないのですが、しばらく悩んでしまいました。

 

使用してみた感想

・ぶっちゃけめっちゃ便利

 ☆雑魚絵描きは何度も何度もアンドゥして線を引き直すのですが、ボタン一つでできるのがうれしいです。

 ☆拡大縮小回転もマウスとキーボードを持ち替える必要なくていいです。

 ☆CLIP STUDIOではツールのショートカットを押しっぱなしにしてるとそのツールに切り替わり、離すと元のツールに戻るっていう仕様なのですが、これがめっちゃ相性良い。ブラシや消しゴムを瞬時に使えます。

 ☆キーボードマクロも登録可能。まだ使いこなせていないけれど、色々応用がききます。

 

・サイズ的にはもう少しコンパクトな方がうれしい

 手の大きさは個人差があるので人によるとしか言えないのですが、特に手や指が短いわけでもないわたしでも、親指の方向キーに指を付けた状態ではキーボードの最上段には届かず、少し掌を動かす必要があります。

 まあ、そこまで機能を割り当てて使うこともないので困ってはいないのですが、位置調整とかできないので、手の小さい方はデモ機の置いてあるお店を探して実際に触ってみることをお勧めします。

 海外のゲーマー向けのサイズ感としては丁度良いのかもしれませんが、なんかキーボード光らせるくらいだったら、位置を調整出来るようにキーボード部分がスライドできたりして欲しいです。

 

・なんかキーボードが明滅して邪魔だった

 ドライバの設定で消せるのですが、Mac OS 10.11 (El Capitan)のときは設定変更しても反映されませんでした。

 邪魔だなーと思っていたのですが、別件で10.13 (High Sierra)にアップデートしたらきちんと設定通りに消えたので、ドライバのバグなんでしょうか。

 

総評

良い買物をしました。問題点が無いとは言いませんが、機能的には満足していますし、価格的にもお絵描きの時の煩わしさが少なくなる効果を考えたら1万円ちょい払う価値はあると感じました。

 ただ、こういうデバイスは手になじむかどうかが一番のポイントですから、まずは実機を触ってみるのが良いと思います。

 

WUGの既刊同人誌についての紹介

 気づけばWUGの二次創作を初めて3年が過ぎて、既刊の点数も多くなって分かりづらいと思いましたので、整理してみました。

カップリングは違っていても、基本的に共通の世界観・共通の時間軸となっています。

ある本でキャラが言及していることが別の本に出てくるといったお遊びもあったり。

なお、価格は発表当時のものであり、都合により変更になる場合があります。

 

小説

□真夢×夏夜シリーズ


菊間夏夜の視点で語られるお話。
悲しい出来事に傷ついて、生まれた場所から離れることになったふたりは、杜の都仙台で出会った。
アイドルとして活動しながら、惹かれ合いお互いに寄り添うことで少しずつ過去と向き合い、手を取り合って未来へと歩き始める物語。

 

 

Green Poinsettia

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作品情報:2015/08/15 B6 60P 300円

紹介:『七人のアイドル』編
 2014年のクリスマスイヴ。夏夜は恋人となった真夢と共にイルミネーションから離れてキスをした。そして夏夜は一年前のことを振り返る。
 Wake Up, GIrls!としてオーディションに合格した6人で活動していく中、時折耳にしていた『島田真夢』という名前。夏夜にとってそれはTVや雑誌で見たことのある芸能人の名前に過ぎなかった。スキャンダルで芸能界を追われ消えていった存在。
 だが夏夜は宵闇の中に真夢の姿を見つけた。そして真夢もアイドルとしての煌めきによって夏夜が目を背けていたものに光を当てた。
 そこから二人の物語が始まったのだった。

 

☆なお、Pixivに全文公開してあります。

www.pixiv.net

Memory of Anemone

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作品情報:2015/12/29 B6 108P 400円
紹介:テレビシリーズ編
 真夢がWake Up, Girls!に加わわって、メンバー同士が時にはぶつかり合いながらも徐々にお互いを理解するようになっていた。
 気仙沼での合宿を経て真夢と夏夜の距離も一層近づいた。しかし夏夜にはまだ乗り越えられない胸の苦しみがあった。発作のようにそのやりきれなさが襲ってきて呑み込まれようとしたとき、手を差し伸べてくれたのは真夢だった。

 

Weekend Monument

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作品情報:2016/12/30 B6 96P 400円
紹介:『青春の影』編
 こっそりと付き合い始めた真夢と夏夜。アイドルの祭典も準優勝を勝ち取り、bvexからのメジャーデビューも決まって平日は仙台、週末は東京での生活が始まった。
 週末のホテル暮らしは図らずも同室になり、お互いの親密さを深めていった。
 だが、メジャーの舞台に躍り出ることは必然的に真夢とI-1clubの接近も意味し、夏夜の心中は穏やかではいられないのだった。

 

Crazy Thing

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作品情報:2017/08/12 B6 300円
紹介:BtB編その1
 季節は夏へと移り変わり、仙台に戻ってアイドルの祭典に向けて心機一転活動を再開したWake Up. Girls!。
 真夢と夏夜も二人で仙台城から市街を見渡してお互いの想いを確かめ合う。
 夏夜という全てをさらけ出せる理解者を得たことで、どんどんと解放されていく真夢。しかし夏夜にとっては真夢とI-1clubのことが未だ気がかりだ。そんな中Wake Up. Girls!の全国プロモーションツアーが始まり、博多にも行くことになった。そこはI-1club元センターの岩崎志保が移り住んでいる土地だった。


Dancin’In The Light

作品情報:2017/12/30 B6 82P 300円
紹介:BtB編その2
 新刊

 

□ティナ×菜野花


天球儀の夜

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作品情報:2015/05/30 B6 100P 500円
 現実主義で、快楽主義で、少し意地が悪くて、だいぶ意地っ張りで、プライドを持っていて、ルックスは真逆。そもそも恋人ですらない。だけど一緒にいることを心地よいと感じている(相手には教えないけど)。そんな二人のお話。


マリリス

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作品情報:2017/12/30 B6 100P 400円

 新刊

 

漫画


□真夢×夏夜


ひとときの未来

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作品情報:2017/05/28 A5 20P 300円
真夢の誕生日を前にして、プレゼントは何が欲しいかと聞いた夏夜に対して真夢が望んだのは高校の制服を着て欲しいというものだった。


□松田×早坂


échec

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作品情報:2016/08/12 A5 28P 300円
「素顔でKiss me」の売り上げが芳しくなく窮地に立たされたWake Up, Girls!
松田は何か出来ることはないかと、もう一度早坂の元へと足を運んだ。
頼み込む松田に対し早坂はある条件を出した。